- ブログ
香美市物部町を歩く

日曜日、車を香美市物部町へ走らせる。
家に籠るのももったいないので少し遠くの街へランチを食べに行くのが日課になっている気がする。
今は紅葉がちょうど見頃になっていて、澄み渡った青空と黄色や赤の葉っぱのコントラストが美しかった。
近くの物産館には産直の野菜や野草茶が並び、手作りの竹細工の籠、流木の花器など誘惑が多すぎて目移りばかりしてしまった。

昨日訪れた大栃の街が忘れられず、仕事中もここで暮らしたらどんな風に生きていけるだろうかなどと妄想が止まらない。これまでも市内、市外問わず色々な街を巡ってきたがこんなことは初めてだ。
(余談ですが、高知の人は高知市のことを市内、それ以外を市外って呼びますよね。)
街歩きをしていて出会うのは不思議なものたちばかりである。精巧に作られた建具が手付かずのまま残っている空き家や、丁寧に手入れが施された庭先の見たこともない植物、かつての賑わいを思い起こさせる商店の看板など挙げればきりがない。そのどれもにそこで暮らす人たちの息遣いを感じる。恐らく私が魅了されているのはその目に見えない息遣いだと思う。
普段はそういったものをスマホで写真に収めては、想像し、考察し楽しんでいる。
下記が良い例かもしれない。見通しの悪い道路に設置されたカーブミラーの支柱になっていたのは竹。本来取り付けた位置から年月が経ち下に落ちてしまっている。そもそも金属製の支柱に取り付けるところを竹につけてしまう経緯が非常に気になる。一般の人が付けたのか、役場の人がつけたのか、答えが分からないことにあれこれ想像する。面白いよね。


だが大栃の街はこれまでとは違った。街歩きの魅力は要所要所に持っているのだが、取り憑かれるような他の魅力があるように思えた。
訪れた日はよく晴れていて、12月間近というのに暖かい日だった。四方を山に囲まれ、目の前には湖。車は時折通るけれど、それ以外の音はない。たまに聞こえてくる鳥の声が目立つくらいに静かな街だった。

写真を見返してみると、街に差し込む陽の光がどこか市内とは違う。陽の光が柔らかいとでも表現すればよいのか。住んでいる地域の緯度や気温や湿度などによって光の見え方は変わるらしいので、もしかすると、私がいつも見ている光とは違ったのかもしれない。
それから、細い路地や階段が至る所に点在していて、道を選択するたびに違う景色が見えるので心が躍る。あっちにも行きたい、こっちにも行きたいと街にぐるぐると踊らされる。






家に帰ってからも空き家情報を眺めたり、Googleマップで周辺を調べたりと妙に気になる大栃。人気(ひとけ)が無いと書いたが道中では住民の方もチラホラ見かけた。「こんにちは」と挨拶を交わした人たちはどこか優しい雰囲気を持っていて、ここにもまた魅力を感じた。
これまでの街歩きの魅力というよりも、物部という土地そのものに流れる空気や雰囲気に私は惹き込まれたのかもしれない。
今更ながらもう少し写真を撮っておけばと後悔。次は朝から街を訪れてみたい。

それではまた。